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執筆者の写真 Jiro Sakamoto

『なぜ日本人は英語できないのですか?』と外国人に言われたときに僕が答えてること



ことあるごとに出会う外国人に


『なぜ日本人は英語できないのですか??』


と聞かれることがあります。

ある程度英語のできる日本人なら同じようによく聞かれてる質問じゃないかなとも思います。



それは英語が母国語だったり英語習得が容易なラッキーで無神経な西洋人に小馬鹿にされた感じでいわれるパターンもあるし


そうではなく

文化や教養レベルの高い日本という国を尊敬した上で。

何故こんなにレベルの高い国でありたくさんの人は大学まででてるのに・・・なぜ??



といった感じです、確かに、、、

ネット上で「日本人は~」とか日本のことを非難するのは気持ちよいことではないのであまりやりたくはないですが。


それでも僕は残念ながら日本の英語力は低すぎ、先進国の中ではでは間違いなく世界最低だと思います。


日本語というものが母国語であることが英語習得を難しくしてるのはそうですが、そしたらお隣の国はどうか??


僕は、海外だったら大卒で英語できない人に出会ったことはないです。その点日本人は大学卒業しても英語できない人だらけ・・・・


例えば今いる場所セブは短期語学留学のメッカであって、フィリピンではものすごく英語通じます。


セブでも『日本人=英語喋れない』が定着してるので新しく出会った人に「あなた本当に日本人??どうしてそんなに英語流暢なの?」ともよく言われたりします。


(僕の英語なんて、会話は問題ないけれど、所詮大人になってから学び始めたもので、まあ全然です・・・)


これだけ教育水準が高い国と言われてるのに、、、そして英語にも力入れているのに何故???


僕の目から見た現状はそんな感じです。



でも、だからこそ日本は独自のアイデンティティをかなり保っているという良い側面もあります。


そして、素直に喜べないですが実は個人的な事情でいえば僕にとってはオイシイことだったりもするのです、というのは僕ぐらいのしょぼいレベルの英語力で通訳としてそこそこいい待遇で給料出して雇ってもらえる国なんてのは日本くらいだと思うからです。


もちろん英語なんてそれで食っていくプロの人以外であればただの道具だし、できないからと言ってそれを卑屈に思う必要もないと思いますが。

しかしこれから国際的になってくる中で日本の経済は昔ほど強くはないといわれてるのでので。まずい事情だといわれてもいます。



さて本題ですが、『日本人はなぜこんなに英語ができないの??』それらの質問があったとき、僕なりにこのように回答しています。




1、そもそもの言語が英語から遠すぎる


長い間文化交流のあった日本語と中国語と韓国語が同じ言葉がたくさんあるように、近くの国の言葉は似ています。

特に日本語、韓国語、モンゴル語なんかは文法がほぼ同じといわれています。

(そういえば僕が一度モンゴル行ったときは街で道を聞くときは英語よりも日本語のほうが通じたような・・・)


同様に英語とヨーロッパ中の言語は似ています。

ヨーロッパ人が英語を学習するのは日本人が英語を学習するのは日本人が英語を勉強するよりも4倍くらい修得が早いようです。


(ちなみに僕も、英語の習得はものすごく苦労したけれど、その後にスペイン語を勉強した時は英語のベースが出来上がっていたので、そしてスペイン語は日本人に発音や聞き取りが簡単だからスペイン語の習得は英語の習得ほど苦労はしませんでした。スペイン語が分かればイタリアに行っても周りがどんなトピックをしゃべってるかくらいは理解できるのが面白いです。)


国が近い同士だったり歴史的に何らかのルーツをシェアしてる言語だったりすれば必然的に似てる言語になり修得が簡単です。

そう考えたら、日本という国は英語の発祥の地であるイギリスからは地図上でいえば最も遠い国の一つになりますので。

(ラテンアメリカはスペイン語、太平洋の島々もオーストラリアやニュージーランドも英語圏)


母語が日本語というのは英語習得にものすごく不利ということは当たり前の事情です、英語なんて言う言語が世界共通語なんていうのは歯がゆいことではありますが先の大戦で負けた歴史がありますので、、仕方ありません。



2、日本での学校の英語教育が無駄に終わっている


僕らが英語を学んでたときは、思い出す限りではまず英語の先生が全然英語喋れなかったと記憶しています。

試験でいい点とるための勉強ばかりして、英語を使うということ(喋る、読む、書く、聞く)をやってかなったと記憶しています。

僕は自身の体験から言って、語学は勉強するものではなく体得するものだと思います。


それからもう一つ、すでにたくさんの英語が日本語の中に、日本語の発音に置き換えられていますが、これらはすべてイギリス英語を日本語発音で最も近い言葉に置き換えられたのにも関わらず、現在の主流はアメリカ英語です。

そして日本語で育っているからこそそのカタカナアクセントが芯まで染みついているもので、これはものすごい大きな弊害でした。


僕の記憶では学校などの風潮として英語の授業でちゃんと発音する人はバカにされたりもしていましたが、ちゃんとした英語発音を教えない日本の英語教育では、英語を教えるのもカタカナ発音(日本人アクセント)じゃないと生徒に理解してもらえない

だからか僕らの世代の最初に英語を教えていた中学校の先生こそががもろにカタカナ英語発音だったと記憶しています


なので僕は独学で英語学習した時、アメリカ・カナダにわたったときにもっとも苦労したのが発音と聞き取りでした。最初の三か月間くらいは、何を言ってるのかわからないどころか単語一つも聞き取れない状態でした。


もう一つおまけでいえば和製英語、、英語と思ってたものがそうでなかったり、全く違う意味だったり・・・これも小さい弊害です。


こちら面白い記事がありました

https://business-textbooks.com/japaneseenglish100/



3、ずっと独立を保ってきた島国であること


例えば色んな国を放浪していた中で見たのが、国と国の境のエリア住んでいれば二か国語がしゃべれます。

例えばアメリカとメキシコの国境にティファナという町があるのですが、そこのノー天気なニートっぽいオッサンでも二か国語を十分に喋れていました。

バイリンガル=インテリではありません、環境によるものです。


日本は昔は鎖国していたし歴史的にもアメリカと戦うまでは負けなかったし、今では経済的な強さだったりして外国に支配されることはほとんどなかった単一民族です。

現代はそれなりにオープンではありますが、やっぱり言語の壁があるし独特の文化があるため外国人が日本に住むのは他の国と比べるハードルは高めにあるとも思います。

最近でこそインバンドが押し寄せてきて外国人もたくさん見かけますし国際結婚なども一般化されてきただろうけれど、、、それでもやはり日本人そもそもの分母はでかいものなので他の国と比べると外国人割合はまだまだ低い。


つまり僕ら日本人の多くは外国人に出会うチャンス、英語に触れるチャンスがありません。


4、日本人の文化や性格による言語習得の弊害


ワーホリなどで日本人が外国に行っても外国人と出会っても、これも日本の学校教育の弊害だと思うのですが、英語をしゃべるとき正しくしゃべろうとばかり考えているような人が多いです。

言語は勉強するものではなく体得するものだと思いますので、実際に会話の中でしゃべって練習して間違ってみたりしないのであれば一向に上達しないと思います。


それから僕の外国人の友人からは『日本人はシャイだから英語を喋ろうとしない』と認識されていますが、僕の観点は少し違うように思います。

日本の文化は『空気を読む、右へならえ』なので自己主張をすると損をする。でも西洋文化圏では自己主張をしないと損する。文化的にあいまいな表現を好む。


また空気を読み、喋らなくても相手の意思をくみ取ろうとする文化、相手を尊重し自分の意見をガンガンと言わないというのが文化だから。

だから、日本人は外国ではおしとやかな人が多いので仮に留学などで外国に行ってもその性格が英語習得の弊害になってるような気がしました。


逆に、、これもよく言われる日本人独特の能力なのですが。

日本人は世界的に見てもボディランゲージはあまりしないけれど言語を介さずに相手が何を言おうとしてるのか理解するセンサーがある、そんな優れてる部分もあるとも言われています。



5、日本語の有能さ


明治維新の時に進んでいた西洋文化を取り入れものすごいスピードで近代化した時、多くの西洋の学問を取り入れ、当時日本語になかった言葉も日本語として新しく作ることをものすごく頑張った方々の貢献により日本語だけでほぼすべての学問が学べるようになったそうです。


僕らの中ではこれは当たり前に思いがちですがこれは世界的に見て普通じゃありません。

学校の授業を小学校から大学まで母国語のみで学べる国というのも希少なのだそうです。

国が国だったら、その国の言語では大学で学ぶことができないので、大学の教育は全部英語で学ぶ国もものすごく多いから、だから途上国に限って言えば大卒であれば英語流暢というのも納得です。

また日本は経済力が強く、途上国のように出稼ぎに行く必要もなく裕福に食っていけます。

外資企業ではなく日本の企業にも十分な強さがありますので、仕事上で英語を使わなくても食っていけます。


日本にいれば日本語だけで豊かに生きていけます。

(これまでのところは)


それだけではなく・・・日本語は世界でも12番目に話されてるくらいのメジャー言語であり

生産性が高く、経済レベルでは世界3位というだけでなくインターネットの情報量も英語、中国語に次いで3番目に多いそうです。中国語はエセ情報だらけなので日本語は実質的に世界で2番目に情報量の多い言語だといわれています。


日本語だけで億万長者になれる人もたくさんいるし、よく考えたらYoutuberなど情報発信してる人でも英語でやってる人はあまり見受けられません。日本語だけというたった一つの国でしか喋れられてない言語だけでも十分に稼げます。


海外にいても日本人がよく訪れている国であれば日本語サービスも豊富。

なので日本にいるだけでなく、海外にいても日本語だけで生活が完結したりもします、、、



だからか海外に住んでも英語喋れない日本人はたくさんいるという側面もあります。



・・・・・・



言語的なもの、地理的なもので長年独立を保ってきた歴史、文化や性格的なもの、日本語の便利さ、日本語だけで食っていける、それどころか日本語こそが稼げる言語であること。

そこまでマーケティングを外国に向けなくても十分に豊かだった。


この日本人のすごさ、今の国際化された社会では弊害になっているというのは・・・何とも言い難いことですね。今では若者の海外離れといわれてます。


でも実際に、徐々に英語できる日本人は前よりも増えているわけだし、昔から日本に来ていた外国人のおっちゃんは、『日本人も昔よりも外国人にも慣れたね』と言っています。

(なぜか茶屋敷に集う日本人は英語流暢な人がかなり多いのです)

そして何より、日本人の頑張りというのは世界一すごいのでこれもいづれ変わると信じています


『日本人が英語を喋れないのはこれらの理由で日本という国が唯一無二であり、それは凄いことである、だからそれが英語を学ぶ弊害になっているんだよ』


と僕はいつも外国人に説明しています。




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