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執筆者の写真 Jiro Sakamoto

日本は先進国である割には賃金が安い問題に関して思うこと

前回の記事『サービスを安売りしている日本に関して僕なりに思うこと』の続きの会です。

ふと思いだしたよく言われること


『日本は先進国でありみんな一生懸命働いてる割には賃金が安いよね?どうして??』


これをよく言ってくるのは日本に住んでるアメリカ人、カナダ人、オーストラリア、ニュージーランドの人達で、英語の先生をやってたりしている人達だったりします。

日本は外国人(主に西洋人)に優遇する傾向があるので日本の英語の先生は日本人よりもたいして働かないのに日本人よりも給料をもらい、職場の同調圧力も回避しやすく、たくさんホリデーがあったりする不公平もあるからまたそこらへんは別次元の話だと思うけれど


僕もこれに関してはかなり同意です、とはいえ、アジアの途上国だとかは普通に会社員でも月給2万円~5万円だったりするのでその人達から比べたら日本の給料はものすごく高いわけなので比べる対象は先進国で物価の高い国です

これは僕が物価感覚的に割と日本と近いカナダやニュージーランドワーホリで働いてた時に思ったことでした。


変なストレスがない!!


ラク!! 


やってることの割に給料高い!!


経済のことはよくわからないのですが

世界で三番目にお金持ちである日本ではあるけれど、人口が一億人いるわけなので、一人当たりのGDPだとかいうデータで行けば日本は確かにそこまで豊かではないという言われています。

例えばワーホリ大国のオーストラリア、カナダ、ニュージーランドのような国は広大な資源があって、そのたくさんの富を少ない人口でシェアしてるから一人当たりの豊かさはかなり高い。ろくに働かなくても豊かな生活ができるもので、怠惰で働かない人が多い、その働き手がいないという現実から外からの良質で都合の良い労働者を補充するためにワーホリという政策に積極的であるとも言われています。

実際に僕の経験から、ニュージーランドでゲストハウスマネージャーの立場だったもので、いきなり現れた現地人を使ってくれとオーナーに頼まれたことがよくあったけど本当に働かない人ばかりでした。ワーホリ依存の国はそんなノリです。

じゃあシンガポールはどうか??

シンガポールはかなり特殊で小国であるけれど企業誘致や政治体制が上手に機能してるらしく、肌感覚でもデータにおいても東京よりもシンガポールのほうが個人レベルで見ると豊かだといわれています。

(物価も東京よりシンガポールのほうが安く、賃金もシンガポールのほうが上といわれてます)

という背景やベースが全く違うので一概に言えないところだらけですが・・・


https://izanau.com/ja/article/view/salary-ranking-world

この記事のデータの、とある年収ランキングによると日本の平均年収は世界で22位、僕の働いたことのあるカナダとニュージーランドの平均年収は日本とかなり近いというデータなのですが。

でも日本はそれらの国と比べると貧富の差がいちじるしく、そしてカナダやニュージーランドにはブラック企業は存在しないし、職場の同調圧力もない、ホリデーもある、基本労働基準法は守られてる、労働のストレスはかなり低い。

だから僕の肌感覚では庶民レベルで言えばカナダニュージーランドはもし同じくらいの労働力や時間給でいえば日本の倍ちかくの給料に感じました。

日本は、

『先進国であり、みんな一生懸命働いている割には給料低い・・・』

これに関して、なぜそうなのというのを僕なりに随筆いたしました。

(あんた偉そうに誰だよ?と言われそうですが、僕は世界中を自分の足で歩き、世界中の庶民、貧民レベルから金持ちまで幅広くつながりがあり、色んな人のお宅訪問して現地人目線で交流し、ワーホリではありますは庶民レベルの就労経験もある、今では小さい規模ではありますが個人事業をやっております、独学なりに自分で経営やマーケティングのことを勉強して常にあらたな一手を打っています。なのでそれなりの見聞と実体験は伴っているはずです、とはいえ経済の専門家ではないので、もし考え方が間違っている場合は教えてください)

僕なりの解答をいうと

1、みんな頑張りすぎて競争が激しくレッドオーシャンで互いに消耗しているから

2、国民みんなでクオリティの高さ、過剰サービスに慣れ切っているから、それに合わせないと生き残れない 3、チップ文化がないから

4、無駄が多すぎる

などが考えられます 色んな例で言えるのですが、例えばこうです。 僕が日本で住んでる八女市と、ニュージーランドで住んでいたネルソン どちらも人口6万人程度で自然が豊か、似たような規模感の田舎です。 もちろん国の文化や背景やニーズが全然違うし、八女は大都市に近い田舎なので全然意味が違います。 そして、一番身近なものの例えでいえば、

八女市で24時間やってるコンビニの数は・・・ざっとネットで調べれる限りで軽く30以上あります、ちゃんと数えてはないけど実際に住んでる肌感覚で言ってもそのくらいな気がします。

一方ネルソンの24時間やってるコンビニはとある国道沿いのガソリンスタンドに併設されているたった一つだけです。

他にもスーパーマーケットの数もそう、あらゆるお店の数が全然違います。 なんのジャンルにおいても八女市のほうがネルソンの10倍くらいのお店の数があるような気がしました。


もちろん例外もあって、文化的背景もあるのでアウトドアショップや宿でいえばネルソンのほうが多いようです。

つまり、ニュージーランドで特に流行ってて需要が多いものを除き、日用品的なものでいうと ざっくり人口が同じであれば、食料品や消耗品など日用品の消費はそんなに変わらないはずなので。

需要と供給、人口÷お店の数でシンプルに考えた場合ニュージーランドのとあるお店は同じジャンルの日本のとある店の10倍くらい景気がよくても変な話ではありません。

極端すぎるかもしれませんがとある同じ規模感の小さな町のスポーツ用品の需要が3000万円とした場合(業界のことわかりません、この数字は例えの話です)

日本だったら10店舗のスポーツ用品店があるので各店ごとの売り上げは300万 一方ニュージーランドだったらスポーツ用品店が町に一店舗しかないので3000万円も収益を上げているといった感じです

(しかしニュージーランドでは土日は絶対営業やらないだろうからもうちょっと売り上げは低いかなと思います、ともあれ、そうであるなら尚更、それぞれの時間給はニュージーランドの方が高くて当然です)

日本でよくありがちな現象はとあるコンビニの月の売り上げが3000万円としたら、もし隣に同じコンビニができたとしたら半分の1500万円になってしまう・・・といった感じです。 日本の場合はその業界ごとで生き残るため、そこからさらにクオリティや価格競争で安売りして、そこのしわ寄せが労働者へ分配されるべき仕事量や賃金に来ているような感じだと思います。

他にも、僕が関わっている農業の例でみてみると 例えばニュージーランドと日本に同じくらいの出来高のリンゴの木があったとします。 そのリンゴの木から100キロのリンゴが取れました(例えの話です) そして1kg1万円になるので(知らんけど) それを全部売り切れば100万円ぶんの利益が出ます


しかし!!!


日本の消費者はとても形が良いものだけを求めます、なのでその100kgから40%のものは売り物になりません。

それを餞別し、抜き取って処分する必要があります

一方ニュージーランドでは、もちろん明らかに見た目から悪いのは抜き取るものの、ニュージーランドの人は日本ほど細かいことは言いません、というか分かりません。

消費者はそんなに品質や見た目の良いものばかりを求めてるわけではありません。

なので90%は売ることができます。

つまりこの物語でいうと・・・・

同じリンゴ農家さんであれば、ニュージーランドだったら一つの木から90万円の利益を出すことができるのに対し

日本のだったら60万円しか売り上げを出すことができません、、、しかも餞別したり処分したりする労働力も余計にかかります。

(ちなみにですが・・・僕が農家さんの収穫を手伝ったときは、そうやって売り物にならないものを僕が引き取り、それをテンチャでいただいたり、地域の人へ分配したりしています。)

農業だけで例えましたがこれが一番説明しやすい事例だと思います、消費者がレベルの高いもの、なぜか見た目の良いものばかりを求めるせいでこんな無駄なことがたくさんあって互いが互いのクビを絞めあう状態が起こってもいます。

どの業界においても比べたらこんな感じのことが起こっているといえます。

また、文化は仕方ないですが、ありとあらゆるサービス業にてチップ文化があるのとないのではお金持ちがたくさんお金を落とすような仕組みとそういう救済マインドセットがある国も結構多いので経済の活性化も違ったりする事実、こればっかりは仕方ありません。

つまり僕が、外国人に

『日本は先進国の割には賃金が低いよね、どうして?』

と聞かれたときはこういう背景を説明をしています。

みんなが頑張るから、給料が下がっているという事実。

そして競争に生き残るために他よりもサービスレベルを上げるために無駄なものができすぎたことによる問題

そもそも、電車が100%一切の遅延もなく時間通り到着する必要があるのでしょうか?

コンビニが24時間あいてる必要があるのでしょうか?

そんなに規模の大きくないゲストハウスに夜のセキュリティが必要ですか?

野菜の見た目がきれいである必要ありますか?

いいところはたくさんあります、そのスタンダードに慣れていて競争しているからこそ、だから日本のサービスクオリティは平均でいけば世界一 、他の国の人がまったく気が利かないところまでしっかりとやるというハイレベルな気遣い、鍛え抜かれた繊細さ。 安全、安心、安くて快適で綺麗。 しかし、その裏に何があるかというと・・・・

ここまでやらないと生き残れないという現実。100%完璧にやってその分ブランディングして利益を高くすることが難しい。そもそもちゃんとやってよいものだけを売るのが当たり前だから。

ここで僕が思う一つの良いアイデアは、労働環境のユルイ海外移住を目指すということです。

若くて動ける人ならなおさらです。 日本や韓国以外にはブラック企業やサービス残業なんか存在しないし、休暇もながい、お客様や上司にへこへこする必要もない、ストレスフリーでありながら賃金も高い。

また今度それは記事にします。 さて、僕の事業のことですが、ゲストハウスに関しても福岡でいえば2015年くらいから2017くらいまでは宿不足なんていうニュースがはびこっていましたが、今現在、、、飽和状態になりいたるところで安売り競争しているように感じます。

東京オリンピックが終わった後に関してはそれがもしかしたら加速するかもしれません。

僕にとってみても、例えば2017年天空の茶屋敷を開業した時は、山奥でお茶をコンセプトとしてやってるゲストハウスというのは僕が検索した限りでは日本で唯一でした。

しかし今はそうでもありません。 そして同八女市にも近くのうきはなどにも田舎暮らしをコンセプトにしたような民泊件数はものすごく増えました。

今のところは切羽詰まってないですが、そして考えたくもないですが、それらとの生き残り競争になる日も近いうちに来るかもしれません。

もちろんそれは予想していたことではありますので焦るべきことではないのですが、、、、

サービスの安売りをせずにこういう時代でやっていく方法、我流ですが僕なりのアイデアはありますので、またそれは今度記事にて記したいと思います。

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