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執筆者の写真 Jiro Sakamoto

第11話、ヒッチハイクで大陸横断した話、その2

更新日:2019年3月25日

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ヒッチハイクで旅をするといっても、今までそんなことやったことないのでどうすればいいのかわからなかった。 意外なことに、周りには教えてくれる人がいなかった。

なので、自分で調べてみた。

面白いことにヒッチハイクで旅する人のためのウェブサイトがある

"Hitchwiki" http://hitchwiki.org/en/Main_Page

ヒッチハイクのやり方、裏技、どんなところでどうやってやるか、ドライバーにはどんな話をしたらいいのか、トラブル対処法、さらにはヒッチハイクの哲学。 その国ごとのヒッチャビリティ(ヒッチハイクの成功率)、各有名都市ごとのベストヒッチハイクポイントなども網羅されている。

これは凄い!!

日本語情報もあるけれどものすごく少ない、やっぱり英語を読めるようになると情報が豊富。 旅の前に一年間カナダで修行してよかった(と言ってもやっとかっと意味が分かるくらいのレベルでした)

・・・

なるほどなるほど。まずはダウンタウンじゃヒッチハイクは無理か・・・

ってことで地下鉄とバスを乗り継いで郊外へ(一応これがヒッチハイクで大陸を横断するにあたり乗った唯一の公共交通機関です)

そこで、一般車両が高速に交わるところで、親指を立てる。

15分くらい待っただろうか・・・

サングラスかけた渋い兄ちゃんがスピードを緩めて言ってきた 『ここはあんまりヒッチハイクにはいい場所じゃないぞ!まあとりあえず乗れ!』と手招き。

ドアを開けたのを見ると、素早くバックパックをその車に投げ込み、スピーディー飛び乗った、(ヒュー、映画みたいでかっこいい!)

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人生初のヒッチハイクはいい感じで決まった。

そして30分ぐらいバンクーバーを離れ、止めてもらったとある田舎、そこでヒッチハイクをする。

すると・・・・なんと若くて美人な姉さんが拾ってくれた・・・

なんとまあ・・・

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ちなみに、その後、世界中色んな国で幾度となくヒッチハイクをしているけどこんな美人さんが拾ってくれたのはこの時のみだった。

どう考えてもこれはビギナーズラックというやつである。

そして、日が暮れるまでヒッチハイクを楽しんで車を乗り継ぎ。

こそっと茂みの中で野宿。

この時はあまり快適なアウトドアギアも持ってなかったし野宿に慣れてもいなかった、結構体は疲れていたけど、まあいい。

次の日もヒッチハイクスタート。 道中で色んな親切な人たちとの出会いがものすごく楽しかった。

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観光をするのではなく、道路を走る、その日どこに行くのかどこに寝れるのかも分からない。 そんな臨場感のある旅、ひたすら東を目指す。 今までの通常のバックパッカースタイルにはない楽しみ方だ。

そんなある日・・・

日も暮れかかったころ・・・

暗くなってきたしあと30分待って誰も拾ってくれなければすぐそばの茂みで野宿しようかと思っていた矢先、なんと一台の車が止まった。

しかし、この時ばかりは断ろうかと思った。

っていうのもなんとなくそのオッサンの人相が悪く感じてしまったということに加え、車から怪しいにおい、薄暗くなってきたばかりなのでなんとなく心理的に乗りたくない気持ちがあった。 ヒッチハイクで拾ってくれる人のほとんどはいい人に決まっている。 そもそも、金のない上にそこそこ肝の据わっている屈強であるヒッチハイカーなんて襲う奴はまずいない。

そう考えたらヒッチハイクはかなり安全だ。

しかしながらヒッチハイカーが襲われたり、その逆の事件も少ないなりには起こっている。 なので自分の身は自分で守る選択をしないといけない。

その自分のカンが言っている、『この人には乗るな』と・・・・

『ごめんねオッサン、間違えた、そういえばこっちじゃなくて逆方向に向かってるんだった』

といい加減なことを言ってごまかす。

すると

「おおそうか、それだったらそっち方向に送って行ってやってもいいぞ」

『いや、それはありがたいんだけど、やっぱり今日は遅くなってしまったし、そこの茂みで野宿することにするよ』

「それだったらまあ任せとけ、ここはあんまりヒッチハイクにいい場所ではないし、もっと安全に野宿できる場所も知ってる、明日はそこからスタートするといい」

『いやいや、そんな・・・オッサンだってもう家に帰る時間でしょ、さすがに悪いよ』

「まあ心配するな、みんながみんないい人とは限らない、ごくまれに悪い奴もいる、もうすぐ日も暮れるし、危険な目に合わせてしまったら君に悪い」

だから、それでオッサンを疑ってるというのに・・・・

とりあえず、断るの一点張り。

・・・・

「どおしても乗らないか・・・・お前、名前は、こんなところで何やってるんだ」

おお、何だか尋問が始まった。そして自分の物語を語る。すると

「よし、わかった、これは取っとけ!!」

と、50ドル出してきた・・・・へ???

『いやいや、オッサン、さすがにこれは受け取れないよ、金がなくてヒッチハイクしてるんじゃなくてあえてヒッチハイクの旅を楽しんでるんだから』

「いいから受け取れ!」と言って強要してくる。 腕をつかんでは、無理矢理お札を握らさせられた。

・・・・・

そこまでされると負けてしまう(あっさり負ける)、でも

『ありがとうオッサン、しかし、ヒッチハイクはチャリティー活動なので。このお金は俺が使うことはなく、日本に寄付することにするよ、俺たちの国を助けてありがとう』

と、事情を説明。

すると・・・・

「分かった、それじゃあそれは日本へ寄付してくれ・・・・そしてこれはお前にだ!」

!!!!!!!

なんとオッサン、財布からもう100ドル出してきた。

えっ、さすがにそれはもらいすぎだよ、見ず知らずの馬の骨に。 とりあえず断るが、先ほどと同じように腕をつかまれて無理矢理握らされた。

そこまでするので負けた(またあっさりと・・・・) ありがとうありがとうと何度も連呼する自分に対し

「いいか、人ってのはな・・・」とかっこよく人生論を語りだす。

ヒッチハイクで止まってくれたオッサン、ものすごく親切な人だったのに、それを怪しんで疑ってしまっていた。 なんと見る目のない奴なんだ・・・・合計150ドルもらって、結局その車には乗ることはなかった。

その人相の悪いオッサンは、別れ際にはかっこよく見えて・・・手を振っては颯爽と去っていった。

そしてその日は野宿した

つづく



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